2014年1月17日金曜日

算数の授業(2年生)

今日の2限目、2年生は算数の時間です。今日は、これまで取り組んできたかけ算の九九を応用するといった内容です。最初に、縦に4個、横に12個ならんだリンゴの絵を提示して、リンゴは何個あるのかを尋ねます。(本時の課題)子どもたちは、かけ算を使えばできることは直感で分かりますが「12の段」のかけ算は習っていないためこのままでは計算で解くことができません。
そこで指導者は、この課題を解決する手立て「かぎ」を子どもたちに提示します。佐分利小学校では、総合的な学力を形成するため、対話や活動を重視した授業づくりに取り組んでいますが、そのためにはひとりひとりが深く考える時間を保証してあげなければなりません。自分の考えをしっかり持たないと主体的な話し合いには参加できないし、また自分とは違った意見をもとに更に思考を深化させることはできないからです。この日も、黒板と同じ絵が書かれたプリントを一人ひとりに配って、「ひとり」で考える時間を充分に保証していました。子どもたちは、リンゴの絵に赤ペンで線で区切ったり、まとまりの囲いを描いて自分の考えを次第に明らかにしていきます。考えがまとまるとそれぞれが「かけ算を使った式」にして抽象化・一般化します。
次に3人のグループに分かれて「みんな」でそれぞれの考えを発表します。自分の考えをしっかりグループ内で発表できること、他の人の考えを自分の考えと比較して聞くこと、さらに自分の考えを深めることなどが期待されます。自分の考えは、人に伝えようとすることでさらに深まります。ここでは、色々な人の考えを出し合って、「4×9+4×3」という考え方の人と、「(4×2)×6」という考え方にまとまっていきました。
この考えの集約も指導者が一方的に行うのではなく、子どもたちに発表させる中で巧みに子どもたちに気づかせていきます。多くの子どもは、自分の考えが、上記のどちらかに当てはまっていることに気づいていったのですが、ひとり「9×5+3」という考え方をした子がいました。どうも12段の九九はならっていないので、習っている最も大きい9の段の九九を生かそうと考えたようです。その子の発想を取り上げ、みんなの前で賞賛し、みんなもその発想に大きな拍手を送っていました。通常なら切り捨てられてしまう考え方もしっかり認められたその子の得意げな顔がとても印象的でした。